認知症患者の数は2020年に602万人、2025年には675万人になると予測されています。これは65歳以上の5.4人に一人は認知症であるということです。
認知症は体の衰えのように目に見えづらい疾患です。では、どのような予兆があるのか確認してみましょう。
1つ目は「物忘れ」です。
ちょっと前のことが思い出せなくなり同じことを何度も聞く、薬の飲み忘れが目立つなどの症状があります。
2つ目は「興味・関心が少なくなること」です。
以前は積極的に行っていたような趣味に興味を示さなくなったり、テレビを眺めているだけで、ソファや椅子からあまり動かないなど、今までのような活発さがなくなってしまうことも予兆のひとつであると言えます。
3つ目は「支払い」が難しくなることです。お釣りのことを考えて、小銭を出す際の計算に時間がかかってしまう、お札で支払うことが増え、お財布の中の小銭がいっぱいになっている状態がみられるようになります。
4つ目は「家事動作で効率的に動けなくなる」ことです。
同じ献立が続く、今までよりも時間がかかってしまう、片付けができなくなることもあります。
他にも、財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなる、言おうとしている言葉がすぐに出てこないといった症状もみられます。
これらの症状がみられる場合は「軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)」と言い、認知症の手前の状態かもしれません。
ただし、軽度認知障害になると必ずしも認知症を発症するわけではありません。
医師の指導のもと “生活習慣を改善する” など適切な対応を行うことで、症状の改善や認知症の発症リスクを軽減できる可能性があります。
たとえば、高齢糖尿病患者の認知症 アルツハイマー病 および脳血管性認知症ともにのリスクは、非糖尿病者の2〜4倍と言われています。他にも高血圧症も認知症の促進に関与すると言われています。
そのため、適切な食事や運動により生活習慣病の予防・治療をすることが、認知症予防につながると考えられます。
食事面では、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
特に、ビタミンA・C・Eなどが含まれる抗酸化作用の高い食品(オリーブオイルや緑黄色野菜など)や旬の魚(特に青魚)が良いとされています。
さらにジョギングや散歩などの運動や適度な外出、脳トレなど頭の体操も効果的です。
そして、しっかりと寝ることも重要です。寝ている時間は唯一、脳を休めることができます。
そのために寝酒を控えたり、体を温めてから寝ることで、質の高い睡眠を取ることができます。
当院では「物忘れ外来」という早期に軽度認知障害を発見し、症状の軽減・予防を図るための外来を設けています。
もしご自身やご家族で気になることがあれば、早めに受診を検討してみてください。
物忘れ外来窓口 |
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045-860-1771 (直通) 045−860−1777(病院代表) |
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これからの人生をより良く過ごしていく為に、是非皆様も認知症にならないための生活習慣を意識してみてください。
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今回の執筆者:作業療法士 齋藤 信(さいとう まこと)
今年で作業療法士5年目になりました。ここ数年で認知症に興味を持ち始めて、少しずつ知識もついてきました。いつかは、認知症のことは齋藤に聞いてみようと思ってもらえるように努力していきたいと思います。
まだまだ暑い日が続きますが、皆さんも熱中症には気をつけてください。私は最近首に巻く保冷剤を買いました🧊