こんにちは、理学療法士の松田です。
自然災害に備えて防災グッズを常備していますでしょうか。誰がいつ被災者になるか分かりません。平時からできることは備えです。
特に、災害時、水や食料も必要不可欠ですが、我慢したくても我慢できないのがトイレですよね。
断水や停電だけでなく、排水管の損傷により自宅のトイレが使用できないことがあります。
避難所では仮設トイレやマンホールトイレが準備されますが、東日本大震災では仮設トイレの設置まで4日以上かかった自治体が66%を占め、最も長かった所では65日を要したそうです。
トイレに行くのを控えるために尿を我慢しすぎると、膀胱炎や尿路感染症のリスクが高まります。また水分や食事を控えると脱水や低栄養、エコノミークラス症候群など生命に関わる病気の発症リスクが高くなります。
災害時のトイレは大きく分けて4つ程ありますが、自宅で手頃に備えられるのが”携帯トイレ”です。
トイレ自体の損傷がなければ便器に取り付けて使用できます。
携帯トイレの数は
家族の人数 × 1日のトイレの回数(約5~7回)× 7日間分 の準備があるとひとまず安心です。
また、携帯トイレが便器内の水に浸らないよう、携帯トイレの下に45Lのポリ袋を1枚設置すると処理時に衛生的です。
その他トイレ周りの衛生品として以下のものがあると良いでしょう。
・トイレットペーパー
・ウェットティッシュ、消毒液
・照明の代わりとなるランタンなど
・排泄物を一時保管できる蓋付きのゴミ箱
携帯トイレがない時は、ポリ袋や大きめのレジ袋の中に新聞紙やおむつ、ペットシーツ、猫の砂、キッチンペーパーなど水分を吸収できるものをいれて代用もできます。
実際に45Lのポリ袋2枚とおむつパッド2枚を使用して非常用トイレをつくってみました。
※今回は袋を重ねてもわかりやすいように赤色のポリ袋と透明のポリ袋を使用しています。
災害時は体力的にも精神的にも負担がかかります。
トイレを備えることで”だす環境”を整え、食事と水分を摂り、適度に身体を動かすことで病気の発症や災害関連死を予防しましょう。
筋力の維持やエコノミークラス症候群の予防に、立ち座りや膝伸ばし、踵上げの運動は狭い範囲で手軽にできるので覚えておいてくださいね。
今回の執筆者:理学療法士 松田 瑛里奈(まつだ えりな)
病院内の排泄ケアチームに所属し、リハビリ内での排泄ケアや、尿漏れ予防を目的としたトイトレ体操の指導に取り組んでいます。娘が来年3才になるのでそろそろ我が家でもトイトレが始まりそうです。