こんにちは。
作業療法士の山内です。
みなさんは高次脳機能障害をご存知ですか?
脳卒中や交通事故などで脳に損傷を受けることにより、言語・行為・認知機能・記憶・注意・判断など機能の一部に障害が起きた状態をいいます。
また、身体機能が軽症であることが多く外見的に障害が目立ちにくいこと、本人も障害を認識できないことがあるため、高次脳機能障害は「みえない障害」とも呼ばれます。
障害による影響は日常生活でもっとも出現しやすく、退院後の生活に困難が生じることが多い為、リハビリや代償的手段が必要になります。
今回は高次脳機能障害の中でも出現率が高い、注意機能障害と半側空間無視について説明していきたいと思います。
【注意機能障害】
注意機能は、「対象を選ぶ」、「対象を切り替える」、「集中して物事を行う」、「複数の物事を同時に行う」といった大きく4つの機能に分類されます。
注意機能障害とは上記の機能が障害されることで、注意が適切に物事に向けられない状態のことをいいます。
当院で行っている注意機能障害に対するリハビリテーションとして、パズルやプリント課題など机上課題や日常生活動作の訓練などが挙げられます。日常生活動作の訓練では集中できる環境や方法を見つけることを目的とし、退院後も同じような環境で過ごせるようご家族様へのアドバイス等も行っています。
注意機能障害の方と関わる際は、必要な情報は整理して短めに伝えることや同時に複数の内容を伝えたり、依頼したりしないことがポイントです。
【半側空間無視】
視覚や聴覚に問題がないにも関わらず、左右どちらか一方にある対象物に気づかなかったり、その一方からの声掛けなどに反応できなかったりする状態のことを言います。
症状が出る方の多くが、左側のからの刺激に反応できない左半側空間無視です。
当院で行っている半側空間無視に対するリハビリテーションとしては、気づきにくい側へ目印や手がかりを置き、そちらへ意識が向くような机上課題や日常生活動作の訓練を行っています。
半側空間無視の症状がみられる方との関わる際、移動中は左側に立ち危険を回避することや反応しやすい右側から話しかけることがポイントです。
上記のように高次脳機能障害に対して、当院の作業療法では症状軽減、改善や退院後の生活に向けた治療を行っています。また調理訓練、屋外歩行、買い物訓練など実用的なリハビリテーションも行っており、退院後に必要な支援もご提案することができます。
認識しづらい高次脳機能障害だからこそ、ご本人、ご家族様の不安が少しでも軽減するよう、私たちが退院後の生活を見据えてしっかりとサポートします!
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今回の執筆者:作業療法士 山内 菜摘(やまうち なつみ)
東京都出身。昨年出産し、今年の5月からフルタイムで復帰しました。作業療法士として、そして働くママとしても成長していけるよう日々奮闘中です!
趣味はスポーツ観戦で最近は阪神タイガースのアレ(優勝)で盛り上がりました…🐯