皆さんこんにちは! 作業療法士の山勢です。
先日9月27日~9月29日の3日間にかけて東京ビックサイトで開催された第50回 国際福祉機器展(H.C.R.2023)に参加してきました。
H.C.R.は、ハンドメイドの自助具から最先端技術を活用した介護ロボット・福祉車両まで世界の福祉機器を一堂に集めたアジア最大規模の国際展示会です。
今回は、作業療法士の視点から、ご自宅で役立ちそうな福祉機器を2つご紹介します!
■ 排泄予測支援機器
▲ D Free:トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社
装置を下腹部に貼ることで、専用のディスプレイに「今どのぐらい尿が溜まっているか」が一目で分かる機器です。
膀胱内に一定量の尿が溜まると自動で通知される仕組みで、排尿のタイミングを「見える化」できるため、トイレの不安解消に役立ちます。尿失禁のお悩みのある方や介護者でおむつが汚れる前にトイレ誘導したい方におすすめです。
また、排泄予測支援機器は2022年4月に特定福祉用具に認定され、介護保険適用で1~3割負担で購入できるのも嬉しいポイントです。
■ 起き上がり動作に特化したヒジ台付き据え置き手すり
▲ オキルンバー360:株式会社イーアス・リハビリテーション天草病院
最初に見たとき、これは何だろう?と思いましたが… 起き上がり動作に特化したヒジ台付き据え置き手すりです。
起き上がりは一日に何回もする、とても大事な基本的な動作です。
脳卒中後の麻痺がある方がよく行う、手すりを引っ張ることによる起き上がりは、体幹筋を使わないためあまり良くない方法ですが、この機器はヒジ台に肘を置いて「てこの原理」で体幹筋を使用してスムーズ起き上がることができます。人間工学に基づいて作業療法士が考案したそうです。
とてもシンプルな構造なので、本当に起き上がりができるのか?と思いましたが・・・実際に使ってみるとびっくり!
体幹筋を使用した質の良い起き上がりがとても簡単にできました。
当院では、工事不要で取り付けられる立ち上がり・移動の補助ができる空間手すりや麻痺がある方でも食べやすい自助食器、転倒骨折リスクを減らすフロアマットなど、ご自宅でも使える福祉機器を導入し、ご自宅での生活に向けたリハビリテーションを実施しています。
介護に悩んでいる方、ご家庭で使える福祉機器を検討している方は、当院のリハビリスタッフにご相談ください!患者さんの病気・リハビリ状態やご自宅での生活状況、環境に合わせて最適な福祉機器を検討します。
また、今回紹介した国際福祉機器展は毎年開催されており、最新機器の動向を知ることができます。参加無料なので、ぜひ会場にも足を運んで実際に見て体験してみてください。
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今回の執筆者:作業療法士 山勢 健太朗(やませ けんたろう)
10月に待望の子供が産まれ、一児のパパになりました。絶賛育児に奮闘中。快く育休を取得させてくれた職場に感謝です。今までと違うライフスタイルに戸惑いながらも楽しんでいます。これから私もリハ科も、次のステージに進んでいくんだなあと、しみじみと考えている今日この頃です。