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スタッフコラム

【特別企画・座談会】「離床」の今、これから

回復期リハビリテーション病棟で働く理学療法士、作業療法士、看護師、医師らによる座談会。
今回はグループでも取り組みに力を入れている「目的を持った離床」をテーマに、当院における離床の今とこれからについて話し合いました。 

天辰 今回のテーマは「目的を持った離床」ということで、現在取り組んでいることや普段気をつけていることを教えてください。

中村 離床を促して起こしっぱなしにならないように、患者さんの趣味を取り入れたり自主トレを提供したりすることで意欲を持った離床に取り組んでいます。

齋藤 作業療法の中でも、手芸などの趣味や生活で慣れ親しんだことを積極的に取り入れています。ただ、リハビリの時間は限られているので、それ以外の時間は多職種で離床活動をサポートしています。リハビリ助手は病棟に上がり、日付の確認や起立動作の見守り、音読、簡単な計算問題などを行います※1。また、歯科衛生士により喋りや飲み込みに対する訓練をしています※2

中村 管理栄養士も起立・着座の動作や歩行の訓練などの自主トレーニングをサポートしてくれていますね。

豊島 看護師は、誤嚥など身体的な異常をすぐに発見できるように患者さんの状況をみています。

天辰 それぞれの職種が自分だけでは気付けない部分や対応できない部分もあるので、多職種で包括的にサポートしていくことは大切ですね。

金森 その点でいうと、「散歩がしたい」など患者さんの気持ちが動いた時に、リハビリ以外の職種でも寄り添うことができるようになればいいなと思っています。

天辰 患者さんのニーズを汲んで多職種でサポートしていくには、お互いが共通の認識を持って情報共有やゴール設定をする必要がありますが、どのようなやり方をしていますか。

中村 カンファレンスや朝の情報共有の時間を活用しています。コミュニケーションも増え、多職種で情報共有できるのですごく有効だと感じています。また、書類の情報共有スペースも活用しています。

齋藤 患者さんの状態を共有しているため、リハビリ以外の職種のスタッフが「前よりこんなによくなったね」と患者さんに話しかけてくれて、それがさらに患者さんのリハビリの意欲にも繋がったというケースがありました。
また、自らこんなことがしたいと声をかけてくれるケースもあり、その人が持っている能力などを周りの人が気づける環境を作れたらいいですね。

天辰 周りからの声かけが患者さんのリハビリの意欲に繋がると。最近では、認知症の患者さんも増えてきていますが、何か工夫をしていますか。

豊島 昔の記憶ははっきりしていることが多いので、先ほどの話でもあったように、以前からやっている趣味を取り入れることも一つだと思います。また、お家で使っている時計や鏡などを持ってきていただいて、出来るだけ普段の生活に近い環境を整えてもらうといった工夫をしています。

※1参照:リハビリ通信つむぎ [Vol.22]目的を持った離床

※2参照:スタッフコラム[Vol.9]“歯科衛生士”をご存知ですか?  病棟歯科衛生士のお仕事

天辰 離床活動の中で抱えている課題などはありますか。

金森 認知症の患者さんが離床してる時に、1人で席を立ってどこかへ行こうとすることがあります。何か目的を持って行動しているのかもしれませんが、転倒リスクなどを考えてすぐに「座ってください」など静止の言葉をかけてしまうことがあります。離床する環境が患者さんにとってネガティブな印象にならないように、声かけの仕方に工夫が必要だと感じています。

中村 やはり否定から入るのではなく、まず話を聴いて患者さんが今何を求めているのかを知ることは大切ですね。

天辰 その通りですね。

豊島 リハビリをしている時間は限られているので、それ以外の時間をどう過ごしていくのかが大事だと思います。一方、80・90代の方が一日中起きているのは体力的にきつい部分もあるので、“休む時間”を作ることも必要だと思います。

齋藤 一日の中で起きているトータルの時間や、“生活リズム”も考える必要がありますね。まずは、お家や施設で朝何時に起きてご飯を食べ、その後休憩するといった大体の生活リズムを、患者さんやご家族に伺って把握することが大切だと思います。退院後の生活を考えて、病院でも患者さんごとに合った生活リズムを整えていきたいですね。

天辰 “退院後の生活を見据える”というのはすごく大事ですね。

齋藤 最近は、離床に取り組むチームを作って活動していますが、どのくらいの時間起きていたかという“時間”にばかり注目してしまうことがしばしばあります。今後は起きている時に何をするかという“中身”についても、話し合いの際に大切にしたいと考えています。

天辰 新型コロナウイルス感染症などで現在は実現が難しいこともあると思いますが、今後「目的を持った離床」に繋がる、あったらいいと思うことや取り入れていきたいことは何かありますか。

齋藤 学生の頃に実習にいった病院では、病棟の食堂で患者さんとご家族、リハビリスタッフなどがお話しをする機会がありました。カフェや喫茶店のような雰囲気で、お茶を飲みながらゆっくりお話しをすることができたので、そういった環境づくりも大切なのかなと考えています。
患者さんにとってはやはり、ご家族と一緒にいることが一番落ち着くと思うので、もっとご家族との繋がりをもてる環境を整えたいです。

天辰 家族に会える環境は大事ですよね。ご家族もいると、リハビリの意欲も変わりそうですね。グループの施設であるケアホーム板橋などでは喫茶スペースが設けられていて、家族や職員と話せるようになっているみたいですね。(※現在は新型コロナウイルスの影響で中止)

中村 みんなで集まって「目指せ何回!」のように、お互いを高め合いながら訓練というのもいいかなと思います。あの人が頑張っているから、自分も頑張ろうみたいな。

豊島 病院には桜の木があるので、春にはみんなでお花見ができたらいいなと思います。長いこと建物の中にいて外の空気に触れないと辛いので。季節を感じながら気分転換もできればな、と。

金森 外でお祭りもやりたいですね。看護師が付き添うことで、何かあった時にすぐにケアができるので、普段リハビリで外にいけない方も出られる機会になると思います。

齋藤 当院でも3年前に出店や出し物などを出してお祭りをしました。ご家族もきて、お孫さんと一緒に楽しそうに回る様子もみれたので、ぜひまたやりたいと思っています。

天辰 入院が長くなる患者さんもいるので、季節を感じられるイベントがあるといいですね。

 

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