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スタッフコラム

[Vol.5]食事はとても大切 | “もし食べられなくなった場合あなたならどうしますか?”(後編)

こんにちは、外科・消化器科の森岡です。
前編では、治療やリハビリをするには十分な栄養を摂る必要であることをお伝えしました。
後編では、栄養摂取の方法である『人工栄養法』について紹介します。

栄養評価にて栄養が不足していると判断した場合には、人工栄養法を開始する必要があります。
人工栄養法には主に4種類がありますが、十分に口から栄養摂取できない場合の選択肢は、『中心静脈栄養方法』と『経管栄養法です。

では、どちらの方法を選択するか。
短期的には中心静脈栄養方法がまず検討されますが、中長期的には栄養学的、生物学的、安全性等から
経管栄養法が優れています。

また、経管栄養法には『経鼻胃管と『胃ろう(胃瘻)造設がありますが、経鼻胃管は手術が不要なためすぐに始められるものの、鼻やのどに痛みや炎症、誤嚥性肺炎や窒息などを引き起こすリスクがあります。そのため、「胃ろう造設」がまず優先的に検討されます

【胃ろう造設について】
胃ろう造設は上部消化管内視鏡(胃カメラ)を利用して行う内視鏡手術の一つです。
全身麻酔による消化器系手術とは異なり、通常一人20分程度で終了し、身体への侵襲・ダメージは非常に少ない処置となります。

また、造設時の危険性や術後の合併症は、ほとんどが十分に回避・対処出来るもので、重篤な合併症に発展する可能性は非常に低い処置です。

通常、造設した翌日から経管栄養を開始します。その後は、約1週間後に胃を固定していた糸を除去(抜糸)します。
経管栄養を継続すること、胃ろう造設部・周囲皮膚の洗浄を行うこと以外、日常生活上の制限は何もありません。
入浴や運動も出来ますし、もちろん会社勤めも問題ありません。

また、よく“胃ろう造設をしたらもう口から食べられない”、 “終末期の最後の手段であり、これを行うことは余計な延命治療で可哀想なので、やりたくない!!” と考えている方が非常に多いですが、胃ろう造設等の経管栄養は最後の手段ではなく最初に行うべき手段です。

生命の終わりが回避出来ない場合にはそもそも経管栄養を行うべきではありません。
また、経口から食事摂取が出来なくなった場合に、いかなる栄養投与も望まず、その先にある死を受け入れる覚悟があるのであれば、それもその方の選択です。

しかし、当院の様な一般・回復期リハビリ病院に入院されるという事は、何らかの病気の治療やリハビリを希望されている方がほとんどかと思われます。
その場合は何よりも最初に十分な栄養投与を確保することが、治療やリハビリ、人間的な豊かな生活の第一歩になります。

経管栄養や胃ろう造設について正しく理解頂き、今後何らかの理由で自分やご家族が食事を食べられなくなった場合、どうするか考えるときの参考にして頂ければと思います。

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