こんにちは、理学療法士の鈴木と申します。
今回は高齢者の4大骨折の1つである「橈骨遠位端骨折」のリハビリテーション(以下リハビリ)について紹介します。
橈骨遠位端骨折は手首の骨折であり、転んだときに手をついてしまうことで発生する骨折です。
治療方法を大きく分けて手術をしない保存療法、手術の2種類があります。
保存療法は約4週間程度ギプスやシーネと言われるもので固定し、骨癒合してからリハビリを開始します。4週間の固定で手首の動きが硬くなっているため、ストレッチや筋力訓練を行い元通りに近づけるようリハビリを行います。
手術の場合、入院期間は数日〜1週間程度です。手術当日〜翌日までは包帯で固定を行い、指しか動かせない状態です。この時は指をグーパーさせて浮腫み予防に努めます。手術翌日に包帯が外れたら無理の無い範囲で手首の運動をリハビリスタッフとともに行います。
入院中のリハビリは手術翌日から退院前日まで行います。退院後は必要に応じて外来リハビリに通っていただき元通りに近づけるようリハビリを行います。
この時期に気をつけて欲しいことは、手首に体重をかけないようにすることです。具体的には起き上がるときに体を手で支えないことやひじ掛け椅子などから立ち上がる時に体重をかけないことです。手術で骨を固定されていても骨がしっかり骨癒合(骨が治ること)するまでは避けましょう。これらの動作開始時期は主治医の先生に相談してください。
どちらもリハビリの目標は日常生活で困らないように使えるようになることや、合掌ができる程度に手首を動かせることです。手術・保存療法どちらもリハビリスタッフがおこなうリハビリも大切ですが、最も大切なことは患者さん自身でしっかりリハビリを行うことです。

今回の執筆者:理学療法士 鈴木 達也(すずき たつや)
こちらの病院に勤めて11年が経ちます。冬はおいしいものが多いですが寒さが苦手な為、早く暖かい季節になってほしいです。冬の好きな食べ物は『白子ポン酢』です。