こんにちは、臨床検査技師の亀卦川です。
皆さんは心電図検査を受けたことはありますか?
心電図検査は、血液検査やレントゲンと並び、病院での診察や健康診断の際によく行われる一般的な検査です。
では、心電図検査ではどんなことを調べて、何が分かるのでしょうか?
まず、心臓は筋肉でできた臓器です。
心臓には、自ら電気信号を発生して心筋に伝達する、「刺激伝導系」と呼ばれる機能があります。この機能により、拍動が規則的なリズムで繰り返し起こり、全身に血液を送り出しています。
心電図は、このような“心臓を動かす電気の流れ”を測定し、心臓が正常に活動しているかを確認しています。
心電図検査にはさまざまな種類がありますが、一般的によく行われるのがベッド上に仰向けになった状態で検査する安静時心電図です。
胸と両手脚に電極をつけ、記録した波形を正常な波形と比べて、異常がないかどうかを判定します。
心電図検査では、主に2種類の異常がないかを調べることができます。
・脈の乱れ(不整脈)
・心臓の筋肉異常(心筋梗塞、狭心症、心筋症など)
不整脈は、拍動の規則的なリズムが乱れている状態のことをいいます。
▲軽度の不整脈(心臓が収縮するリズムが乱れています)
心筋梗塞や狭心症発作時など、心筋の電気信号に異常が生じる状態を確認する際にも、心電図は簡便かつ重要な検査となります。
しかし、心電図検査だけでは見つけることが難しい心臓病もあります。
弁膜疾患、先天性心疾患など、“心臓の形”の異常によって病的状態をきたす心臓疾患のことを「構造的心疾患」といいます。
心電図検査では、心臓の形を直接見ることはできないため、構造的心疾患の診断・重症度の判定のためには、形を見ることが得意な「心臓エコー検査」や「CT検査」などのいわゆる画像検査が重要です。
心電図異常をきっかけに精密検査を行い、構造的心疾患が見つかることもあります。
何気なく受けている安静時心電図検査は、心疾患を見つける基本となる大切な検査です。
健康診断を定期的に検査を受けて早期発見へ繋げましょう。
すでに違和感がある方は、早めに内科をご受診ください。