6月9日(金)に第16回 神奈川県慢性期医療協会 web講演会が開催されました。
今回の幹事は、当院 平成横浜病院。
院長の程塚 明先生が座長を務め、栄養科 係長の金森 祐樹さんが「慢性期医療におけるチーム医療のかたち」というテーマで講演を行いました。
▼慢性期医療におけるチーム医療のかたち(金森 祐樹)
慢性期医療において、患者さんは身体的・精神的・社会的に複雑な問題を抱えています。
この問題に対して適切な医療を提供したいという理想と、業務負担や時間的制約といった現実との乖離をいかに埋めるかを考える必要があります。
理想にみえる場所に行くのもひとつ、現状のまま働き続けるのもひとつ。
ただし、別の場所にも必ず様々な問題がある。また、現状のまま理想を捨てて働き続けて、果たして幸せだろうか。
そして、「自分達で変えていく」こともまたひとつ。
理想に向けて現状を変えていくには、各職種がそれぞれの高い専門性を発揮しながら、
お互いに連携し、時には領域を超えて「補完しあう」チーム医療の体制をつくることが大切です。
病院ごとに異なる人的資源や問題点に対して、多職種で重なり合って補完する相互乗り入れチームモデルの実践が提唱されています。
そこで、栄養科では全員がNST専門療法士レベルを目指して管理栄養士としての専門性を高めるとともに、医師の領域でもある食欲不振、腹痛、浮腫などの症候学への対応、薬剤師の領域ではポリファーマシー対策として薬剤の代わりで対応しうる栄養管理の検討、看護師・リハビリの領域では介助や移乗、基礎訓練をサポートするなど、領域を広げた能動的な学習・共有の継続を目指し、屋根瓦式の教育体制を整えています。
こういった取り組みは現在、理学療法士や看護師など他の職種でも広がってきています。
なぜ私たちはこれをやるのか?それは患者さんやご家族のHappyはもちろん、このチームに関わる私達自身のHappyのために取り組み続けています。
私たちが掲げるプロフェッショナルとは…It’s not the job you do, it’s how you do the job.
プロフェッショナルとは「職業」ではなく、あなたがそこで「どう働くか」。
1人1人がそこで「どう働くか」を考えられるプロフェッショナルを増やしていきたいと考えます。
また、特別講演として当院にも職員教育にお越しいただいている中村 健 先生(横浜市立大学医学部 リハビリテーション科学教室 主任教授)のご講演がありました。
超急性期〜急性期でのリハビリの重要性について、数多くのエビデンスに基づくデータをご提示いただき大変有意義な時間となりました。
講演終了後には、参加してくださった他院の院長などから、組織運営やリーダーシップ、教育などについて今後の連携を進めていきたいとご要望をいただきました。
院内だけでなく、病院や地域のクリニック、介護事業所などと連携・補完しあっていきます。