こんにちは、薬剤部のさがわです。
みなさんは「漢方薬」の名前や飲み方について注目したことがありますか?
まず、漢方薬はいくつかの生薬(しょうやく)を決められた分量で組み合わせて作られた薬です。生薬とは、植物の葉や茎、根、木の皮、実や動物、鉱物などの天然物のなかで薬効があるとされる一部を切る・乾燥する・蒸すなどの加工をしたものをいいます。
例えばよく耳にする「葛根湯」。葛根湯は「葛根(くずの根)」という生薬を中心に、桂皮(しなにっけいの樹皮)、大棗(なつめの果実)、生姜(しょうがの根茎)など7種類の生薬から作られています。
では、名前の最後にある「湯」は何を示しているかご存知ですか?
あまり意識したことがないかもしれませんが、漢方の名前の最後には 『湯(とう)』『丸(がん)』『散(さん)』などが付いています。
葛根『湯』、八味地黄『丸』、当帰芍薬『散』などです。
実はこの語尾の違いは、どのような服用方法かを表しています。
ただし、現在病院などで処方される漢方薬は、湯剤も丸剤も散剤も全て煎じて抽出した『エキス剤』が主流で飲みやすくなっています。
- ▲葛根湯
- ▲八味地黄丸
- ▲五苓散
エキス剤の飲み方は、1回分を約100mlの白湯に溶かして飲みます。 飲み方は基本的にインスタントコーヒーと同じと考えてください。
インスタントコーヒーは粉をそのまま口に入れて流し込む方はいませんよね。 コーヒーと同じく一緒に香りも味わって飲みます。 お湯に溶かして飲むか、それを冷まして飲むかになります。
漢方薬とは体の状態に応じた薬です。 温かいコーヒーを飲みたいのか。冷たいコーヒーを飲みたいのか。 あなた自身の思いのままに飲んでくださいね。
医師や薬剤師から飲み方の指導がある場合は、その飲み方に従ってください。
薬剤師は患者さんが安心して薬で治療できるようにサポートします。
「もっと飲みやすい方法を知りたい」、「漢方薬でも副作用は出るの?」など、お困りごとや疑問がありましたらお気軽にご相談ください。