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スタッフコラム

[Vol.18]MRIってどんな検査? | なるほど!MRIの仕組み

こんにちは、放射線技師の金井です。

みなさんはMRI検査を受けたことがありますか?
MRI検査は脳の病気や椎間板ヘルニア、がんの検査などに用いられており、病気の部分と正常な部分との信号の差を画像上で区別して診断する検査です。

今回は、MRIは「どうして大きい音がするの?」「CT検査より時間がかかるのはなぜ?」という疑問について、原理の視点から解説します。

前提の知識として「体内の陽子」と「MRI装置」について説明していきます。

まず、私たちの体は、様々な「原子」で構成されています。
原子は中性子と陽子からなる原子核と電子で構成されていますが、その中の陽子は「棒磁石」のように磁場を持っており、それぞれに「向き」があります。
体内には無数の陽子が存在し、普段は小さな棒磁石のようにバラバラな方向を向いているとイメージしてみてください。
MRIでは、人体中にどこにでも分布している水分子を構成する水素原子の原子核(プロトン)の磁気
を利用しています。

MRI装置は非常に強い磁力を持った巨大なコイルが内蔵されており、撮像時にはこの磁石の中にある「傾斜磁場」と呼ばれる特殊なコイルに電流を流して磁場を発生させることで撮影します。
この時、傾斜磁場コイルが振動することで「ガガガ」といったような特有の大きな音がします。これはスピーカーの音の発生と同じ原理です。


▲内蔵された巨大なコイルによりMRI検査室内は強力な磁場が発生しているので、入室時は電子機器や金属類を外します。

MRIの中に人が入ると、バラバラの向きであった陽子が一斉に同じ方向を向きます。陽子の向きが揃った所でMRI検査開始になります。
特定の周波数の電波(ラジオ波)を体に照射すると陽子の方向は横に傾くように変化し、照射をやめると元の方向に戻っていきます。
磁場の戻る時間は組織(骨や水、脂肪、がん細胞など)によって異なり、この戻る時間の差を画像化したものがMRIの画像となります。

このように陽子の磁場の向きを「揃える」→「方向を変える」→「元に戻す」を繰り返して数種類の画像を作ることや、撮像の度に適切な条件変える必要があることから検査時間が長くなります。

▲撮像条件を変えたMRI画像。見え方の異なる複数の画像から病気を判断し、適切な診断を行います。

MRIは放射線を使わないため、被ばくの心配がなく安全性の高い検査です。
私たち放射線技師は、患者さんの負担を少しでも軽減し、安心して検査を受けられるように、適切な撮像・検査時間短縮に努めています。

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