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人工関節を知る

人工膝関節全置換術や人工股関節全置換術などの手術で使用する「人工関節」。
平成横浜病院ではロボティックアーム手術支援システム「Makoシステム」を用いた手術をしており、その際に使用する「人工関節」についてご紹介します。

人工関節への置換手術では、傷んだ骨を取りのぞき、人工の関節(インプラント)に置き換えます。

■ 人工膝関節全置換術(TKA)
膝上(大腿骨側)・膝下(脛骨側)に金属のインプラントと、その間に軟骨の役割をもつプラスチック(関節をスムーズに動かすためのもの)を入れます。

■ 人工股関節全置換術(THA)
大腿骨に埋め込む「ステム」と「ヘッド」、その対になり骨盤側に埋め込む「カップ」や軟骨の代わりになる「インサート」を使用します。必要であれば「ボルト(スクリュー)」で固定することもあります。これらの構成部品を組み上げて、一つの股関節をつくります。

インプラントの表面には特殊な加工がされており、手術後に骨が入り込むことで固定されます。

一般的に人工関節は、チタン合金、コバルトクロム合金、プラスチック(ポリエチレン)などの素材が使われています。
当院では、主に股関節はチタン合金、膝関節はコバルトクロム合金でできたインプラントを使用しています。関節の間に入れる構成品はプラスチックでできています。

〈 金属アレルギーがある方 〉
皮膚科でのパッチテストや血液検査で何の金属に対してアレルギーがあるのか、手術で使われるインプラントの金属にアレルギーがないかを調べます。問題がなければ手術をすることができます。
また、
必要があればメーカーの方に協力いただき、製品の組成と照らし合わせながら問題がないか確認しますので、診察の際に一度ご相談ください。

 

■ 大きさ
人工関節は、それぞれの患者さんの関節のサイズに合うように、” mm単位 “で用意されています。手術の前に撮影したCT撮影(レントゲン)をもとに、適切なサイズを検討します。
さらに、万全に手術を行うため、予定サイズから前後数mm違いのインプラントをいくつか用意しておき、実際に手術で関節をみて適切な人工関節を選択します。
当院ではMakoシステムを利用して治療計画を立てているため、術前の計画通りの人工関節を選択することがほとんどです。

 ■ 重さ
膝関節も股関節もインプラントの総重量は 300〜350g 程度です。大体、りんご1個分の重さになります。ただし、元々の骨を削ってインプラントを入れるため、重さを感じることはほとんどありません。


人工関節も、本来の関節のように動かすことですり減っていくため、生活をするのに耐えられる年数があるとされています(耐用年数)。耐用年数は活動量により変わりますが、20〜30年程とされており、スポーツなどで関節をよく使う方はすり減りやすくなります。
※人工関節手術後は、スポーツをする前に担当医とよく相談してください。

手術を検討する際には、多くの不安や疑問があると思います。手術や人工関節、リハビリなどについて疑問や不安なことがありましたら、医師や看護師、リハビリスタッフらにお尋ねください。
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